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【観劇レポ】ディリバレー・ダイバーズ『忘却のエクストリームアイロニスト。』~その3~

前回書いた『その2』から日が開いてしまいましたね。
いかんいかん。

札幌もようやく春らしい日が多くなってきた今日この頃。
というか春をすっ飛ばして夏に移行するつもりかと疑ってしまうような温度だったりとか(笑)


今回は『忘却のエクストリームアイロニスト。』の、その3という事でお送りします。

それでは、はじまりはじまり~!





鉄野家の居間。

そこではつい先ほどまでアイのエクストリームアイロニング仲間とアツコとのバトルが繰り広げられていた。
今はアイとアツコの2人だけ。
そこに残されたのはアイロンの熱気がもたらした余韻と、部屋の隅に置かれた紙袋。

アツコ「お姉ちゃん。ごめんね、遅くなっちゃって」
アイ「えと、妹」
アツコ「うん。アツコっていうの」
アイ「アツコさん」
アツコ「覚えてないんだよね」
アイ「ごめんなさい」
アツコ「いいの。大丈夫。でも、お願いしていい?」
アイ「何を?」

急なお願いに何事かと目を丸くするアイ。
その傍らで、アツコの目に怪しい光が灯る・・・。

アツコ「私のこと・・・以前みたいに、呼んで。あったん、って呼んで」

アツコはそう言って、そわそわしているような、それでいてウキウキしているような様子。
早鐘を打つように鼓動する胸。
自身で気付いているのか、目をギラギラさせ舌なめずりまでしているアツコ。

アイ「あったん」
アツコ「やんっ!」

アツコがアイに「こう呼ばれたい」と思っていた呼び名で呼ばれ、妄想にも似た願望が今、現実のものとなったわけである。
アツコはさながらエビのように身体を『くの字』に曲げたかと思うと大きくのけぞり、幸せをかみしめる。
そう、まさに心は『キュン死に寸前』。
そしてすぐさま、平静な様子に戻る。
・・・この間、わずか1秒程度。

アツコ「なあに。お姉ちゃん」
アイ「私、エクストリームアイロニングをやってみたいの」
アツコ「・・・・・・思い出したの・・・?」
アイ「やってみたいってことだけだけど」
アツコ「あいつらのせいね。だめ。危ないもの。たかがアイロンがけだよ?布のシワを延ばすだけじゃない」
アイ「それだけじゃない何かがあるのよ、きっと」
アツコ「何感化されてるのよ」
アイ「それに、ちょっとでも記憶のキッカケになるなら」
アツコ「思い出さなくていいよ」
アイ「え?」

アツコの思いがけない言葉に戸惑いを隠せないアイ。
アツコは何か強い意志を秘めた視線でアイをまっすぐに見据える。

アツコ「そんなに急がなくたって。無理しなくたっていいよ。
私がずっとついてるから。ゆっくり取り戻していこうよ」
アイ「でも・・・・・・ん・・・?」

アイは部屋の隅に置いてある紙袋に気付き、その中身を取り出した。
紙袋から出てきたのは、1つのアイロン。

アツコ「アイロン・・・?あいつらが置いていったやつ?」
アイ「・・・!!」

アイロンを手にするなりしげしげと見つめ、何かを探っている様子のアイ。

アツコ「お姉ちゃん?」
アイ「あったん」
アツコ「やんっ!なあに。お姉ちゃんどうしたの?」

『あったん』と呼ばれるのがそんなにも嬉しいのか、良い意味で不意を突かれつつ身悶えするアツコ。
その素振りに対して特にリアクションの無いアイは、じっとアイロンを見つめるばかり。

アイ「私、覚えがある、このアイロン」
アツコ「アイロンなんてどれも同じじゃないの?」
アイ「いえ、このアイロン・・・心なしかしっくりくるわ」

肌から伝わる感触に、確信めいたものを感じるアイ。
アイロンを掲げてつぶやく。


一方、アイの家から追い出されるような形で外へ出たエクストリームアイロニング仲間の4人。

タキ「しっくりきますよね、それなら。ねぇヤマさん」
ヤマザキ「うーん」
タキ「ヤマさんが言うとおり、アイさんは記憶喪失だった。アイさんの記憶を取り戻すには、その原因から探っていった方がいいと思うんです」
マチ「え?何?タキ、どういうこと?」
タキ「だからぁ、事故じゃないとしたら」
マチ「事故じゃない・・・?あれが?」

予想もしなかった方向性に、うまく思考が追いついていかないマチ。
タキは自分の感じた『ひっかかり』を、迷いながらも言葉にする。

タキ「なんか違和感あって」
マチ「違和感って?」
タキ「エクストリームアイロニングは安全の確保が基本だろ?アイさんほどの実力のアイロニストが、不注意で崖っぷちから転落するなんて有り得なくないか?」
マチ「それは、猿も木から落ちるーみたいな」
タキ「マチさん、アイさんのこと猿だと思ってんのか」
マチ「人でしょ何言ってんの見りゃわかるでしょ猿はタキでしょ!」
タキ「猿が人の言葉をしゃべれると思ってんのか猿はマチさんだろ!」
マチ「ウッキー!!」

ささいなきっかけで言い合いになるマチとタキだが、口ではタキの方が一枚上手のよう。
悔しさを全身で表すマチの姿は、それこそ猿に見えなくもないような動き。
2人のやりとりには触れず、次に口を開いたのはウミ。

ウミ「それで?事故じゃないとしたら、なんだっていうの?」
タキ「つまり、あの日、アイさんがご来光と共にアイロニングをキメてから」

ここで場面は過去に戻り、富士山山頂でアイの姿を見上げていた4人の姿が。
アイのアイロニングに感動している4人。
彼らの元へ駆けつけるアイ。

アイ「いやーごめんね皆!待たずに始めちゃってさーっ!」
マチ「アイさん!」
アイ「あまりにも見事なエクストリームアイロニング日和だったから、つい!ね!」
マチ「アイさん、私感動しました!アイサンのアイロン掛け、感動しました!
初めて拝見しましたけど、あんなに伸びやかでかつ情熱的で、それでいて心地よい静寂が流れて、しかも周りの環境のデメリットを感じさせず、むしろ自然と一体になった雄大なアイロン掛け!見入っちゃいました!
アイロン掛けで涙を流す日が来るなんて思いもしませんでした!」

早口でまくしたてるようにして、心の動きを言葉に変えるマチ。
言葉にこめられる熱はどんどん上昇し、次第に言葉に嗚咽が混じる。

マチ「ホント、今でも、思い出すだけで、涙が、で、て、ウエ」
タキ「アイロニングで涙流さすなんて半端ないっすよ!」
アイ「いやーそれほどでもあるよー」

マチとタキは涙を流し、アイの両側からそれぞれにすがりつく。
それはもう、涙だけでなく鼻水まで流れてきそうな勢いで。

マチ「エクストリームアイロニング始めて、私、良かったでつ!!」
アイ「せいぜい頑張って、早く私みたいなすごいアイロニストになるんだよ」
マチ「あたち!なりまつ!しゅごいアイロニストに!なりまつ!あたち!」
タキ「アイさん!おれ、あいあういあいあおんいあうあ・・・」

言葉にならないほどの感動を呼び起こすほど、アイのアイロニングは圧倒的だったようである。
若手2人がアイに心酔する様を見て、おもしろくない気持ちを感じた者もいた。

ウミ「本当、素晴らしいアイロンさばきだったわよ、アイ」
アイ「ウミさん!見ててくれました!?私の八面六臂の大活躍を!」
ウミ「あそこまでのキレを見せられちゃうと、敵わないわねー」
アイ「でもウミさんだって、女性アイロニストの中ではそこそこの実力ですよ!
先輩の貫禄がちゃんとありますから、大丈夫です!」
ウミ「ははー言うわね」
アイ「ははー言いますよー」

女と女の言葉のぶつかり合いは、時として殴り合いよりも怖いものである。

エクストリームアイロニストとしてのキャリアはアイより長いものの、実力・実績ではアイの後塵を拝するウミ。
先ほどのアイのアイロニングに感心した反面、焦りとも嫉妬とも似た感情が生まれることもある様子。

一方、アイロニストとして高い実力を持っている反面、時折鼻持ちならない素振りを見せる事があるアイ。
時として謙虚さとは程遠い自己主張をして、周りの空気を一変させる事も。

目には見えない火花が散っている様が見えてきそうな場面。
周りの空気が凍りつく中、その場を打開したのはヤマザキ。
2人の間に割って入り、話の方向を別の向きへと変えていく。

ヤマザキ「よし!それじゃあ俺たちもアイに負けないよう準備しようか」
タキ「おいっす」
アイ「あ、じゃあ、皆さんが準備している間に、もう1アイロニングしてきても?」
ヤマザキ「おう、行ってこい行ってこい。気をつけろよ」
アイ「はーい」
ヤマザキ「崖から落ちたりするんじゃねえぞー」
アイ「ヤマさん!この私がそんなミスするワケないじゃないですかー!」

そしてアイは山道を登り始め、先ほどアイロン台を設置していた場所へと戻っていく。
ひとまず回想シーンが終わり、残った4人の姿は富士山山頂にいた彼らではなく、現在の彼らに戻る。

タキ「と、ここから俺たちはアイさんと離れ、各々の準備に入ります。
ここから俺たち全員が、アイさんを見ていない空白の時間が生まれるんです」
マチ「確かにアイロニング場所までは結構遠くて、見通しも悪かったし」
ウミ「それで、この空白の時間で何が?」
タキ「ここからは、俺の仮定ですけど」

そしてタキが皆の背後を指差すと、そこに現れた全身黒ずくめの覆面男。
覆面には大きな『?』の文字が・・・。
おどけたような不思議な踊りを踊る覆面男。

ヤマザキ「なんか出てきた!!」
マチ「何アレ!?黒っ!!」
ウミ「あからさまに怪しい!」
タキ「プライバシー保護の為です」

あくまでも彼が存在するのはタキの『仮定の世界』である。
そして覆面男は、先ほどアイが登っていった経路をたどる様にして山道を登っていく。
次第にアイとの距離は縮まっていくが、当のアイは背後の覆面男にはまったく気付いていない。

ヤマザキ「アイ!後ろ!後ろー!」
ウミ「振り向いて!振り向いて!」
マチ「あぁ!ダメ!逃げてー!アイさん逃げてーぇぇ!!!」

彼らの叫びは届くことなく、覆面男に背後から突き飛ばされ、崖下へと落ちていくアイ。
自らの身に何が起こったのかもわからない表情のまま・・・。

マチ「アイさぁーーーーーん!!」
ヤマザキ「うわーー!」
ウミ「何してんのよアンタ!下りてきなさいよ!男らしくない!聞いてんの!?」
タキ「みんな落ち着いて」

興奮が頂点に達しているウミとマチ、そしてヤマザキ。
独り冷静なタキは、彼らをなだめるのも一苦労。

マチ「タキ!ああああアンタ、アイさんがあんなことになってて!
どうしてそんなに冷静なのよ!?感情がないの!?不感症なの!?」
ヤマザキ「不感症なのか!この甲斐性なし!低所得!安月給!」

興奮してタキへ詰め寄るヤマザキ。
しかしタキへ向けられた指先が差す方向は、彼の顔ではなく男のシンボルに向いていた・・・。

タキ「落ち着いてください。これは再現VTRですから。あと悪口はやめてください。
いいですか、この瞬間を、その時の俺たちは見ていません」
ヤマザキ「あ、そうか。ごめん。どれかが図星だったらごめん」

怒りの矛先が自分に向いて、なだめるのに一苦労なタキ。
ぶつけられた言葉の中に、痛手を受けるものもあったのか・・・。
そこはさらっと流し、自らの推理の話を続ける。

タキ「準備を終えた俺たちは、アイロニング場所まで移動して、そこでアイさんの姿がないことに初めて気づき、探しに行ったんです」

タキだけはこちらを見つめ、残るヤマザキ、ウミ、マチは過去の場面においてアイを探しに歩く。

タキ「そして」
ウミ「いやああああああああ!?アイ!?皆!アイが!アイがぁぁ!!」
タキ「俺たちが見つけた時には、もう」

過去の回想は終わり、再び集まる4人。
そしてアイに起こった出来事について、全員での推理が続く。

ヤマザキ「なるほど・・・。だけど、俺たちが見ていない部分での仮定がちょっと飛躍し過ぎてないか?」
ウミ「でも、有り得ない話じゃないわよ。私たちはずっと一緒にいたし、アイが自分で転落したんじゃなければ、第三者の仕業と考えるのも」
マチ「でも、そうだとしたら、誰がこんなこと・・・」
タキ「そこまでわかんないっすけど」
マチ「えー?」
タキ「でも有り得るとすれば、犯人はアイさんを見知っている人物の可能性が高い」
マチ「どうして?」
タキ「見知らぬ愉快犯がわざわざ登山してきませんって」
ヤマザキ「見知ってる人間でアイを突き落とす為にわざわざ登山して来る奴がいるか?」
タキ「いるかもしれないじゃないですか。アイさんがいなくなって都合の良い奴か、あるいは・・・・・・」


富士山頂で起こった、あまりにも不可解な事故。
一番の手がかりになるはずのアイ本人は記憶を失っているという事態。
果たして、真実はどこにあるのか?

この後、アイが勤めていたクリーニング店にて新たな展開を迎えます!

今回はここまで!!


ではでは。
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プロフィール

ケンタ

Author:ケンタ
おいしい食べ物への好奇心が人一倍(一説には3倍)の男です。
自分が美味しいものを見つけるのが嬉しいのはもちろんですが、それを他の人に教えて喜んでもらえる事がより嬉しいです。
まだまだ知らない美味しい物を探しまくります!

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