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観劇レポ『シャッター街引導カレー。』~作品編その4(完)~

『シャッター街引導カレー。』の観劇レポも、これで最終回です。

費やした時間と労力を振り返ると長かったように思いますが、これも期待と満足の表れなんだろうと自分で思います。

まぁ自分の想いやらなんやらは次の次の回に書き綴る(もしくは書き殴る)予定です♪
きっともってやりたい放題な感じの内容になりそうな予感(笑)


さて前回は、商店街の人たちの心が一つになったところまで、でしたね。

最終回は、リューイチとの最後の話し合いの場面から始まります!!


それでは、はじまりはじまり~♪






シーン7 シャッター街引導カレー。


独り厨房にいるマゼロウ。
新たに盛ったご飯の上へと、カレーをかける。
みんなの想いの詰まったカレーを手に、公民館へと急ぐマゼロウ!

既に集まっている商店街の面々、そしてリューイチ。
そこへ到着したマゼロウを交え、流れた音楽に合わせて視線を上下する一同。

商店街側とリューイチの視線はすれ違うばかりでしたが、最後に交錯する視線!
それはこれから始まるやり取りを象徴するかの如く・・・。


そして音楽は鳴り止み、リューイチの視線の先には・・・マゼロウの手に持ったカレー。
・・・カレー?
最後の話し合いの場に立っているはずの自分が見ているものが、どう見てもカレー・・・!?
状況が飲み込めないリューイチは、思ったままの言葉をマゼロウにぶつけます。

リューイチ「なんですかコレは」
マゼロウ「カレーだよ」
リューイチ「見たらわかるよ」
マゼロウ「食べてくれ」
リューイチ「遠慮しておくよ」
マゼロウ「どうして」
リューイチ「今日僕は仕事でココに来ているんだ。ディナーをしに来たワケじゃない」
マゼロウ「頼む」
リューイチ「・・・」
マゼロウ「・・・」

頭を下げ、頭上にカレーの入った皿を掲げるマゼロウに対し、頑なにカレーを食べる事を拒むリューイチ。
彼にとってはカレーを食べなければならない理由が存在しないわけですからね。
一筋縄ではいかない相手です(笑)

そして、マゼロウの横を素通りするように移動し、自分のペースで話を始めるリューイチ。

リューイチ「・・・本日。これより僕がオフィスに戻り、会議を終えれば、この商店街の敷地買取と立ち退き勧告が決定します」
マゼロウ「リューイチ!」
ニコミ「リュウ兄ちゃん!」
リューイチ「決定後、社として計画を実施してまいりますので、こういった場を設けることも難しくなるかと思われます」
スクエ「ちょっと待ちなさいよ!」
カツオ「話だけでも聞いてくれないかい?」
ブンコ「せめてカレーだけでも・・・!」

みんなの訴えを聴き流し、最低限必要なやりとりだけを淡々と進めるリューイチ。

リューイチ「最後に!・・・何かご意見やご要望はございますか?」
マゼロウ「カレーを食ってくれ!」
ニコミ「兄ちゃんお願いよ!」
リューイチ「社に対するご意見ご要望でお願いいたします」
トンペイ「カレーを食べる前に決定するのをやめてください!」
トリコ「会議の前に食べてください!」
ニンジ「なんなら社の皆さんで食べてください!」
リューイチ「食べる食べないの話以外でお願いいたします!」

これまでクールに振舞っていたリューイチですが、今日は珍しく言葉の中に苛立ちが見え隠れします。
ですが、商店街側だって負けてはいません♪
口八丁手八丁で、まずは食べてもらおうと食い下がります!

カツオ「カレーを手にとってみてはどうだろうか!」
ブンコ「そしてスプーンでカレーをすくって」
スクエ「そしてカレーを口の中に入れて味わって飲み込んで!」
リューイチ「カレー以外で」

どうあってもカレーを食べる事には同意しないリューイチ。
そこで、ギュウノスケが声を上げます!

ギュウノスケ「リューイチ!!」
リューイチ「・・・はい」
ギュウノスケ「オマエは、話し合いに来ていたんじゃないのか?」
リューイチ「・・・そうですね、昨日は」
ギュウノスケ「こんな平行線な話をしていてもしようがないんだろ?」
リューイチ「・・・そうですね」
ギュウノスケ「話し合おう。俺たちで」
リューイチ「何をおっしゃっているのかわかりませんね。昨日アレだけ僕の話をお聞きにならなかった方々が。今日は聞いてくださるんですか」
ギュウノスケ「話を聞く。後でしっかりと。だから、まずは何も言わずに、カレーを食べてくれないか?・・・この通りだ!」

そう言って、深々と頭を下げるギュウノスケ。プライドが高くてケンカっぱやい彼が・・・。
何も言わずにそれを黙って見つめるリューイチ。

やがて商店街側の全員が、ギュウノスケに続いて深々と頭を下げます。
さすがにこの様子には、リューイチも驚きの色を隠せません・・・。

リューイチ「何が、皆さんをここまで変えたっていうんですか」
タマネ「そのカレーよ」
リューイチ「カレーが?」
タマネ「そう。カレーが私たちを変えた」

どこからか流れ出すインド風の音楽。

リューイチ「カレーなんかに、何が出来るっていうんですか」
マゼロウ「それは・・・食べてみればわかることだ」
リューイチ「・・・・・・僕が食べて、それで皆さんの気が済むのなら」
ニコミ「リュウ兄ちゃん・・・!」

あんなに自分勝手な考えばかりだった商店街の人たちが、たった一日でここまで変貌を遂げている事実。
何よりカレーを食べない事には、交渉が一歩も前へ進まないのであれば食べる他無い。
リューイチの考えはそういったところでしょうか・・・。

リューイチ「スプーンを」
マゼロウ「スプーンだ」

スクエからリューイチへとスプーンが手渡されます。
受け取った左手から右手に持ち替えたスプーンを皿に盛られたカレーへと伸ばし、一口分をすくい上げる。

リューイチ「・・・・・・いただきます」

スプーンに乗ったカレーが口へと進み、それを咀嚼し飲み込んだ直後!
新たな音楽が流れるとともに、リューイチの体が小刻みに震えます!

そしてかけていたメガネを外し、スーツのボタンを外して前面をはだけるリューイチ!!

そして弾けるように動いた後に、リズムに合わせて踊りだす!!・・・かと思いきや、その場に崩れ落ちるのみ!
かかっていた音楽もかき消えてしまいました。

リューイチ「・・・!」
トリコ「・・・踊りださない・・・?」
リューイチ「踊りださない!?」

トリコのつぶやきに強い違和感を覚えるリューイチ。

トンペイ「どうして!どうして踊りださないんですか!?」
リューイチ「どうして僕が躍りださなきゃならないんですか」
ニンジ「そんな・・・!昨日は誰もが躍りだしたのに・・・!」
ギュウノスケ「一晩寝かせたカレーなのに・・・!」
スクエ「カレーの美味しさは、昨日より上がっているはずなのに・・・!」
タマネ「ミュージックだって変わっていたのに・・・!」

目の前の出来事に感じた疑問を隠すことなく、次々に口にする商店街の面々。
そのどれもが、リューイチにとっては不可解な話ばかり(笑)

カツオ「リューイチくん、何かまずかったのかい!?」
リューイチ「いいえ」
ブンコ「美味しかった?」
リューイチ「美味しかったです。とっても。このカレーで僕をどうしようとしたんです?」
ニコミ「リュウ兄ちゃんにはわからないの・・・!?このカレーの美味しさが」
リューイチ「だから美味しかったって・・・」
ニコミ「このカレーは、私たち商店街皆の具材が詰まっている・・・私たちの全てが煮込まれたカレーなの・・・!」
リューイチ「え・・・」
ニコミ「それが伝わらなかったの?商店街皆の想いが一つとなって具材からにじみだしたカレーの素晴らしさ!リュウ兄ちゃんにはわからなかったの!?」
リューイチ「そうだったのか・・・・・・」
マゼロウ「リューイチ・・・!」

カレーに込められた想いが伝わった・・・かに思えたその瞬間!
不気味な笑い声ととともに、立ち上がろうとするリューイチ!
・・・ですがシャッター街インドカレーの破壊力は予想以上で、そうとう足にきている様子(笑)
生まれたての鹿とか馬みたいに、足をガクガクさせながらゆ~っくりと立ち上がろうとします!
それが余計に不気味だったりする(笑)

リューイチ「なるほどね・・・このカレーひとつに商店街の店の商品を全部詰めることで、この商店街全体の価値っていうのを伝えたかったわけだ。確かに美味かったよマゼロウ・・・。でもさ!」
マゼロウ「でもさ?」
リューイチ「僕からこのカレーの致命的な弱点を伝えてやる」
マゼロウ「なんだ」

誰もが食べた瞬間に踊りだすほど元気が出るこのカレー。
商店街の人たちが一致団結して最後の交渉の場で出した切り札でしたが、リューイチへの効果はまだ薄い状態!
しかも弱点とは・・・?
皆の意識が、リューイチの言葉へと集まります!

リューイチ「カレーで商店街全体の価値を伝えるっていうんなら、このカレーの具材に入れなかったものはどうなるんだ?ここにいる人たち以外の店の商品はどうなる?まさか商店街の各店で売っているものを全てナベに詰め込むつもりなのかい?食べ物でないものもあるんだぞ?だけど、それら抜きで商店街が一つになったなんて言えないよなぁ?どちらにしても矛盾してる。暴論じゃないか、これは!」
マゼロウ「・・・」
リューイチ「どうなんだ?」
マゼロウ「・・・・・・・・・そうだな・・・言う通りだ」
リューイチ「だろう?」

勝ち誇った顔のリューイチ。
これまでの一連のやり取りからも分かる様に、理路整然とした論法で相手の矛盾をついていくのが彼のやり方。

ですが、商店街の面々にはうろたえるような素振りは全く有りません。
むしろ、待ってましたと言わんばかりの余裕を感じます!

ニコミ「・・・でも、それを言うならリュウ兄ちゃんだって」
リューイチ「え?」
スクエ「そうね、暴論ね」
リューイチ「な、何がですか・・・!?」

完璧だと思っていた自分の意見が真っ向から否定され、そのほころびを見つけ出そうと必死になるリューイチ。

マゼロウ「それは、違う」
リューイチ「何がだよ!商店街の店をカレーに詰めるんだろう!?おかしいじゃないか!そ、そうだ。武藤おばさんがやってた喫茶店”コーヒーむとう”はどうする?コーヒーなんてカレーに入れたら・・・!」
カツオ「コーヒーは適量入れればカレーに深みが出るよ!」
リューイチ「なっ・・・!」
ブンコ「風味が増すのよ!」

リューイチ「じ、じゃあ坂谷じーさんの酒屋はどうする?酒こそカレーに入れたら・・・!」
タマネ「絶妙な配分で入れれば、コクや旨味が出るわ!」
ニンジ「カレーと一緒に飲んでも合うお酒はいっぱいありますよ!」

リューイチ「じゃあ路地の角でひっそりとやってた丸ちゃんのボロいタバコ屋は!?タバコなんてカレーに入れたら・・・!」
ギュウノスケ「タバコはカレーの食後の一服として楽しめるじゃねぇか!」
トンペイ「食後のタバコは最高ですよ!」

リューイチ「じゃあハゲで有名だった鶴田さんの床屋は!?」
トリコ「カレーを食べてから行けばスッキリ出来ます!」


矛盾点を突こうとして話を挙げても、もっともな理由をことごとく突き付けられて焦るリューイチ。

リューイチ「なんなんだ!なんなんだ!なんなんだよもう!」
マゼロウ「リューイチ・・・!」

しまいにはその場にへたり込み、まるで駄々をこねる子供のような動きをします。
精密な機械ほど、一度歯車が狂い始めると大変な事態になるものですね・・・。いやはや。

リューイチ「なんなんだよマゼロウ!僕の何が違うんだよ!」
マゼロウ「・・・大事なのはカレーに何を入れるか入れないかじゃないんだよ。皆がひとりだけで頑張るんじゃなく、このカレーのように皆が皆でひとつになればハッピーなんだって、そういうことなんだよ」
リューイチ「じゃあ・・・じゃあジャスフールはどうなるんだよ・・・!?僕はどうなるんだよ・・・!?僕はオマエらとひとつになんてなれてない、カレーになんてはいれてないじゃないか・・・!!」

今のリューイチが感じてる気持ち。
敗北感、疎外感、孤独感、そういったものでしょうか・・・。
ですが、マゼロウは勝ち負けを超越した視点で物事を見ています!

マゼロウ「・・・・・・リューイチ・・・このカレールー。どこのルーだと思う?」
リューイチ「オマエの店のルーじゃないのかよ」
マゼロウ「違う、ソレじゃあこの味は出せない」
リューイチ「じゃあ・・・」

そして、そのやり取りを見守っている誰もが微笑みを浮かべる中、マゼロウがポケットから何かの箱を取り出してリューイチへと向けます!
驚きの表情のリューイチ!!!!

リューイチ「そ、それは・・・!!」
マゼロウ「・・・そう。ジャスフール自社ブランド”ジャストプライス”から販売されている・・・『インドカレー中辛』!!」
全員「「ジャスフール自社ブランド”ジャストプライス”『インドカレー中辛』!!」」

そうです!!
彼の、彼らの作ったインドカレーは『商店街』という狭い枠だけに留まらず、超大型デパートジャスフールをも巻き込んで一つになる事を実現してみせたのです!!

マゼロウ「俺はそれまで、気づかなかったんだ。ルーなしでは、カレーになんてなれやしない。ひとつになんてなれやしない。俺たちが一つになった中に、混ざり込んでくれなきゃ、カレーは完成しないんだって」
リューイチ「そ、そのルーだけじゃあこんな味は出せないぞ・・・!」
マゼロウ「そうだ。このカレーは、シャッター街の俺たちと、その横に建つジャスフールと、全てがひとつになった・・・シャッター街インドカレーなんだ・・・!」
リューイチ「シャッター街インドカレー・・・!」
マゼロウ「シャッター街インドカレー・・・!!」
リューイチ「な・・・何がインドだ・・・これのどこがインドカレーなんだよ・・・ただのご家庭カレーじゃないか・・・!!」

カレーの持つ懐の深さに気付かされながらも、素直に受け入れるわけにはいかないリューイチ。
ところが・・・言っちゃいけない事を言っちゃいましたねぇ(笑)
すかさずタマネが、一撃で致命傷となるほどに強烈なツッコミを入れます・・・。

タマネ「じゃあ、このパッケージに書いてある”インドカレー”ってのはウソなの?」
リューイチ「うっ!!」
ギュウノスケ「これはウソか?だまそうとしていたのか?消費者のことなんてどうでもよかったのか?」
リューイチ「い、いや、それは・・・」

冷や汗タラタラで必死に弁解しようとするリューイチ。
自ら掘った墓穴の大きさに慌てふためいても後の祭りです(笑)


ところが、話は思わぬ方向へ。

トンペイ「兄ちゃん・・・これはもしかしたら、ジャスフールのやさしさ、気遣いじゃないかな?」
ギュウノスケ「気遣い?」
ニンジ「そっか。調理後、結果的にコレがただのカレーとして出来上がってしまっても・・・」
トリコ「最終的にはまるでインドカレーを食べているような雰囲気を味わってもらいたいというジャスフールの、私たちに対する気遣いですよ・・・!」
カツオ「ジャスフールの」
ブンコ「気遣い・・・!」

ツッコミを入れたい気持ちは満々ですが、とりあえず良い流れは戻ったので結局は黙っているリューイチ(笑)
そしてニコミが、これまでとは違った視点で物事を捉えます。

ニコミ「そうか・・・リュウ兄ちゃんだって、きっと同じだったんだ・・・!」
トリコ「リューイチさんが?」
ニコミ「私たちに商店街を立ち退くよう要求したのは、少なからずジャスフールの影響があった私たちの店を他の所に移すことによって、結果的には商店街を捨てることになってしまっても、最終的にはココより新しい、良い環境で私たちに店を続けてほしいという、リュウ兄ちゃんの、私たちに対する気遣いだったんじゃないのかしら?」

ニコミからの視線を逸らすリューイチ。
彼女の言葉を否定せずに沈黙を続ける事が、逆説的にニコミの言った事が正しいと肯定している証明なのでしょう・・・。

トンペイ「そんな・・・」
ニンジ「そんな気遣い、気づきませんよ・・・!」

嬉しさの反面、商店街の誰もが顔を曇らせます。
これまでリューイチの心意気に気づかず、彼を疑い罵声を浴びせ続けた自分たちへ、後悔の念を感じたのでしょう。


マゼロウ「そうさ。だからリューイチだけで、ジャスフールだけでやっていこうっていうのは違うと思うんだ。リューイチだけでこの街を作ったって何も美味しいことなんてない。ただ腐っていくしかない」
リューイチ「腐っていく?俺が?」
マゼロウ「そうだ。ダシも具材もスープもないカレールーなんて、ただの香辛料の塊に過ぎない。ルーだけでなんて食べる価値も無い」
リューイチ「いい加減にしろよマゼロウ・・・!それは俺をルーに例えているから言えることだろう!ジャスフールはどうだ?多くの客が望んでいるんだぞ?」

自らの存在や、順風満帆なはずのジャスフールの存在に疑問を投げかけられ、必死に抵抗するリューイチ。
ところが、その現状、そしてこれからの問題点を指摘するマゼロウ!

マゼロウ「今はそうかもしれない。ジャスフールはすごい店だ。でも、その先はどうだ?オマエは超大型デパートが建った後の地元の街を見たことあるか?」
リューイチ「い、いや・・・あまり」
マゼロウ「個人経営の店のシャッターは閉まり、人通りもなく、唯一賑わっているのはデパートのみ!しかも賑わう客の多くは、遠隔地から車でやってきた裕福なお買い物客ばかり!対して近隣の街はどうなった!?そこに住んでる人は?街全体は美味しくなったか!?それでハッピーになったか!?」
リューイチ「・・・何が言いたいんだ・・・!」
マゼロウ「つまり、カレールーだけ出来がよくても、美味しく頂けないんだよ・・・!」
リューイチ「そんな例えで・・・!」
マゼロウ「これは例えだけど、だけどこのカレーが美味いのは紛れもない真実だ!」
リューイチ「じゃあ・・・どうしろって言うんだ?ジャスフールは!僕は!・・・ずっと一人で!この街を想ってやってきた僕は!全然美味しくないことになるじゃないか!どうしろって言うんだよ!!」

これまで保ち続けてきたアイデンティティに疑問を投げかけられ、戸惑いと苛立ちを露わにするリューイチ。
そんな彼をマゼロウは熱い瞳で見つめます!!

マゼロウ「だから・・・作ろう。カレーを!俺たち皆で!!」
リューイチ「僕たち・・・皆で・・・!?」

テーブルの上のカレーから、スプーンで一口すくうマゼロウ。
そしてそれをリューイチの口へと運びます!
・・・男同士での『あーん』ってやつですね(笑)
それを両脇で見守る一同。

どこからか流れてくるインド風の音楽!
そして、マゼロウを初めとして各自がそれぞれにカレーを口にする!

マゼロウ「どうだ?」
リューイチ「美味しい・・・すごく美味しい・・・!!」
マゼロウ「リューイチ。オマエに見て欲しいんだ。皆で一つのカレーを作ることがどれだけ素晴らしいことなのか・・・!それを味わったときにどれだけハッピーになるのかを!!」

リューイチに向き合うようにして並ぶマゼロウたち!
これまでにないほど鮮やかな光が彼らを照らし出す!!
そして、先ほどよりも華麗さを増したインドダンスを踊ります!!!!

驚愕と羨望の眼差しで、その姿をじっと見つめるリューイチ。


鳴り止まぬ音楽の中、一人一人が熱い言葉をリューイチに向ける!!

マゼロウ「リューイチ!俺たちは今、炒められ、煮込まれ、混ぜられた!後はルーであるリューイチ!オマエが入るだけだ!」
リューイチ「僕・・・!?」
ギュウノスケ「カレーはルーなしじゃ出来ねぇだろ!」
トンペイ「それじゃあ美味しくないただのスープです!」
トリコ「リューイチさんもこの街のことを想っていたんなら!」
ニンジ「例え方法が違ったとしても!」
タマネ「私たちと同じ具材のひとつ!」
ブンコ「一人で苦しんでないで!」
カツオ「キミだけを出し抜いたりなんかしない!」
スクエ「また昔のように一緒に!」
ニコミ「リュウ兄ちゃんを私たち皆が望んでいる!いえ!ずっと望んでた!!」
マゼロウ「後はリューイチが飛び込んで!混ぜ込まれるだけなんだ!!」
リューイチ「僕は・・・僕も・・・!」
マゼロウ「オマエが混ざった俺たちで!シャッター街に引導を渡して!皆がハッピーになる街を!カレーを!シャッター街引導カレーを作るんだ!!」

そして皆が中央に集まり、熱い瞳で一人一人がリューイチへと手を差し伸べます!!
それはさながら、ルーが入ることを今か今かと心待ちにしてグツグツと煮立った鍋のよう!!!!

最後の仕上げとばかりに、まずはマゼロウが、ニコミとスクエが、そして商店街の皆が鬼気迫るダンスでリューイチの心を奮い立たせます!!

かつて感じた事のないほどの熱い想いを正面から受け止めたリューイチ!
彼自身が気づかないうちに、両の拳に込められた力が次第に強さを増していきます!
彼の胸の中に渦巻くのは、これまで感じた事のない情熱と高揚感!!

マゼロウたちが一体となって作り出すその空間へと飛び込むリューイチ!!
彼も他のみんなに負けないくらいに素晴らしいステップを踏みます!!

すべてが溶け込んでハッピーになる面々!
最後に全員で一体となってダンスを決める!!
その様はまさに、完成するシャッター街引導カレー。


踊り終えた彼らの顔は、この世のすべての希望を凝縮したような輝きに満ち溢れています!!
それは観る者すべてを虜にするほど魅力的な姿!!

マゼロウ「リューイチ!!!!」
ニコミ「リュウ兄ちゃん!!!!」
リューイチ「作ろう、皆で。シャッター街引導カレーを!」
マゼロウ「ああ!!」

ガッシリとお互いの手を熱く握りしめるマゼロウとリューイチ!!!!


・・・ここで改めて、今後の方針について話し始めます。

スクエ「だけどジャスフールどうするの?」
ブンコ「社の方針は変わらないんでしょう?」
ニンジ「期限も今日までだし・・・」
リューイチ「わかっています。でも、考えは有ります」
カツオ「どうするつもりだい?」
リューイチ「ジャスフールが増築されるのも、商店街の敷地を買い取るのも、会社として変える事は出来ないでしょう・・・でも、その為の代替案がある」
タマネ「昨日言っていた案ね」
ギュウノスケ「どんなのだ?」

ギュウノスケの言葉に思わず驚くリューイチ。

リューイチ「聞いてくださるんですか?」
ギュウノスケ「当たり前だ。さっき言ったろ?しっかり聞くって」

何かを噛みしめる様にしばし黙り込むリューイチ。
自分が受け入れられたことの喜びを感じているのでしょうかね♪

リューイチ「・・・皆さんに受け入れて頂けるかわからないのですが」
タマネ「受け入れて納得するようにするわよ」
リューイチ「・・・皆さんにはやはり、このシャッター街を一度立ち退いて頂きます。会社の意向を変えることは、僕じゃあ出来ない・・・」

驚く一同。そして続きの言葉を告げるリューイチ。

リューイチ「でも。でも皆さんには帰ってきて頂きたいんです」
タマネ「帰ってくる?」
リューイチ「ジャスフールの店舗拡大後、新設されたジャスフール別館のテナントに、商店街皆さんの店舗を組み込む。そして皆さんにそこでお客様を迎えて頂きたい。ダメで元々ではありますが、これが僕に出来る最大限・・・!いかがでしょうか・・・・・・」

一瞬の沈黙の後、口を開くトンペイ。

トンペイ「ジャスフールの中に、僕たちの商店街が出来るってことですね・・・!」
トリコ「そうしたら、これよりももっと多くのお客さんを迎えられる・・・!」
トンペイ「僕は、いいと思います!」
トリコ「私も、賛成です!」
ブンコ「私もやってみていいと思うわ。今の状況よりは断然!」
カツオ「この商店街がなくなるのはさびしいけど、ジャスフールも含めて皆で作る街だからね!」

自分で出した案ながら、誰もが口々に肯定的で暖かい意見を出してくれた事に驚くリューイチ。

リューイチ「いいんですか?」
スクエ「ジャスフールの都合のいいようにされるのはイヤだけど、リューイチくんが考えてくれた最大の譲歩案でしょ?私たちだって受け入れなきゃ♪」
ニンジ「リューイチさんがちゃんと考えてくれた案ですから。それなら」

環境が大きく変わっても、結果的にみんながハッピーになるための手掛かりができましたね!!
ただ、この後はちょっぴり現実的な意見も。

ギュウノスケ「簡単に出て行くってわけじゃないけどよ」
タマネ「店が変わるとなると商売に不安も残るしね」

商売もいろいろ難しいことが有るでしょうから、不安に思うところも出るでしょうね。
それに対してリューイチが発した一言が・・・。

リューイチ「ギュウノスケさんたちの肉やタマネさんたちの野菜や、皆さんの商品ならどこでだって売っていけるでしょう?」
ギュウノスケ「なんだと!?」
タマネ「なんですって!?」

一瞬で怒りMAXになって、リューイチに掴みかかろうとするギュウノスケとタマネ!
慌てて阻止するカツオとブンコ(笑)
慌てふためくリューイチは、自分の発言の真意を補足します。

リューイチ「どこでだって、良く売れるってことですよ!?」

一瞬の沈黙の後、全員で顔を見合わせ笑いあう一同。
商店街側みんなで一斉に「バカ言ってんじゃないよ!!」の一言をリューイチへ!
・・・物語の初めと言葉こそ同じですが、今のその一言にはリューイチに対する親愛さに満ち溢れています。

リューイチはマゼロウに「紛らわしいんだよ、オマエ!」と背中をバンバン叩かれていますね(笑)
回りくどい言い方のリューイチもアレですが、ケンカっ早いギュウノスケとタマネも困ったものですね♪


そして、長らく感じていたリューイチとみんなの溝が完全に埋まろうとしてます。

ニコミ「リュウ兄ちゃん・・・ありがとう・・・!」
リューイチ「ニコミ、マゼロウ・・・ごめんな。こんなことくらいしか出来なくって」
ニコミ「リュウ兄ちゃんが街のことを考えてた。私たちも街のことを考えてた。あきらめないで、ちゃんと。それだけでも十分だよ」
マゼロウ「これが、みんなで作るってことだろ。受け入れあって、譲り合って、皆がハッピーになれる方法を考える・・・これが、いいと思う!」
リューイチ「ありがとう・・・どうしてだろうな、一度は諦めかけたんだけど、どうしてだろうな、なんだか体が熱くなってきたんだ。すごく、汗ばむほどに熱く・・・これはどうしてなんだろうな・・・!!」

なんだかウキウキしたような素振りで、ネクタイを緩めて喉元から胸へと新鮮な空気を送り込むリューイチ。
そんな様を見ながらマゼロウは、その質問の答えをゆっくりと告げます。

マゼロウ「・・・それは・・・・・・カレーを食べたからだよ」
リューイチ「マゼロウ・・・!」

微笑みながら話す二人。かつての友情が戻った瞬間です!
・・・いや、それ以上の強い絆が生まれた瞬間、という方がふさわしいですね!!

その二人のやり取りを見て、ニコミが話し始めます。

ニコミ「リュウ兄ちゃんとマゼロウ、二人の約束が叶ったじゃない」
マゼロウ「何の約束だよ」
ニコミ「二人でカレーを作るっていう、昔の口約束」
マゼロウ「これからはもっと大きなカレーが作れる。ジャスフールという大きな鍋に俺たちっていう具材が詰まって、多くのお客さんを迎えるカレーが作れるんだ・・・!二人だけじゃなく皆で。こんなに美味しいハッピーはないよ!」
リューイチ「今度は約束忘れるなよ」
マゼロウ「ああ」
ニコミ「それならマゼロウ、皆にちゃんとしておかないと」
マゼロウ「何を?」
ニコミ「どうでもよくなんかないんでしょ?みんなとカレー、作るんでしょ?」

にっこり微笑みながらマゼロウを見つめるニコミ。

マゼロウ「・・・!そうだった!」

ハッと気づいたマゼロウを見て、ニコミは優しくうなずきます。
そして、姿勢を正して皆に向き直るマゼロウ。

マゼロウ「皆さん・・・・・・言い忘れていたことが、ありました」

その言葉とともに流れてくるインド風の音楽。
その場にいる一人一人がまっすぐにマゼロウを見つめます。

ギュウノスケ「なんだよ今更」
タマネ「なんか大事なことかしら?」
トンペイ「なんでも言ってください」
トリコ「なんでも聞きますよ」
ニンジ「なんですか?」
ブンコ「なんでしょうね」
カツオ「なんだろうね」
スクエ「なんなのよ」
ニコミ「マゼロウ」
リューイチ「マゼロウ」

マゼロウ「・・・・・・ただいま!」

キョトンとする一同。
でもその表情はすぐに暖かい笑顔へと変わり、みんなからマゼロウへと贈られる『言葉のプレゼント』。

一同「・・・・・・ごちそうさまでした!!」


飾り気のない、心のこもった言葉に感極まるマゼロウ。
言葉を詰まらせながらも、皆に向けて最高のお返しの言葉を!!

マゼロウ「・・・っ!!・・・・・・・・・おそまつさまでしたっ!!!!」


全員で曲に合わせて華麗なるインドダンス。
それはとても素晴らしく美味しくハッピーな光景である。

ひとりひとりの力ではない。ひとりひとりがひとつになった力。カレー。
商店街を救ったとともに、シャッター街に引導を渡したカレー。
これからはもっともっと多くの人を混ぜ込んで、さらに大きなカレーとなるだろう。

もちろん、シャッター街引導カレーはこの街だけで作られるわけではない。
みんなの心の中にもあるのだ。
みんながみんなと一緒に混ざり合ってひとつになったとき、結果として、シャッター街引導カレーが出来上がるのだということを、忘れないで欲しい・・・。



シャッター街引導カレー。おわり。




これにて本作品は終了です!

過去最長のボリュームでの観劇レポでしたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました!
※観劇レポというよりは『ストーリー紹介』という方が正しいですが・・・(笑)

俺自身としても、こんなに素敵な作品に出会う事が出来て感無量です!!
願わくば、この文章を読んだ方が作品の魅力に触れ、『こんなに素敵な作品がこの世に存在する』という事を多くの人に伝えていただけますように!!


そして本作品を上演された劇団『ディリバレー・ダイバーズ』の方々に、心より感謝の意を申し上げます!!
本当に、本当に!本当に!!ありがとうございました!!!!


なお今回の一連の記事を読んで「面白かった!!」と感じられた方は、ぜひディリバレー・ダイバーズのブログにもコメントを残してください♪
劇場で直接観た方以外でもこのブログを通して作品に触れたわけですから、その感想を伝えてくだされば関係者の方々も喜ぶと思います!

ディリバレー・ダイバーズのブログへは、以下のURLからどうぞ♪
http://derivalleydivers.seesaa.net/
・・・もともと前から俺のブログのリンク一覧に入ってるんだけどね(笑)


次回は『役柄・役者編』としてお送りし、さらに次の回に作品の感想を書こうと思います!
11月28日(日)はちょいと忙しいので、アップは29日以降になると思います。

こちらもお付き合いいただければ幸いです。

ではでは。
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プロフィール

ケンタ

Author:ケンタ
おいしい食べ物への好奇心が人一倍(一説には3倍)の男です。
自分が美味しいものを見つけるのが嬉しいのはもちろんですが、それを他の人に教えて喜んでもらえる事がより嬉しいです。
まだまだ知らない美味しい物を探しまくります!

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